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映画感想ーいろんな楽しみ方があっていいじゃない

ショート感想文 Nobody(2021)

Nobody(邦題:Mr.ノーバディ)【2021年公開】

ジャンル:アクション、スリラー

※PG12作品です。本作は暴力表現が含まれます。鑑賞の際はご注意ください。

そうだ、猫飼おうーー。

なんにも考えないで観れる映画です。考察不要。スッキリしたい時にどうぞ。クリストファー・ロイドマイケル・アイアンサイド、ダニエル・バーンハードらが脇役で出演していてノスタルジックな作品です。

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ショート感想文 Titane(2021)

TITANE(チタン)【2022年日本公開】

ジャンル:ボディホラー、サスペンス、ドラマ

※R15+作品です。本作は殺傷、肉体損壊表現が含まれます。鑑賞の際はご注意ください。

よくあるセクシャル×スプラッター系のホラー映画なのかな~とあまり期待せずに観たら、いい意味で期待を裏切ってくれる作品でした。ホラーと言うより親と子が愛を見つける人間ドラマです。

 

きさらぎ駅(2022)もホラーとしては駄作だけど、ファンタジーとしては面白い映画だった。ホラーとは…

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映画感想 No Time to Die (2021)

Harder to tell the good from bad, villains from heroes these days.

人の善悪が見分けにくい時代なのさ。

 

愛と復讐の物語ここに終幕せりー。

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No Time to Die(邦題:007/ノー・タイム・トゥ・ダイ)【2021年公開】

 

※6代目ジェームズ・ボンドとしてダニエル・クレイグが主演を務めた全5作を観賞済み前提として書いています。全5作の内今作のみR15+指定です。ご注意ください。

 

◆あらすじ

英国の秘密諜報組織MI6の工作員でありながら、一人の女性:マドレーヌ・スワンと恋に落ちた007(ダブルオーセブン)ことジェームズ・ボンド。彼は組織を離れて彼女と逃避行していましたが、切っても切れない過去に彼女との仲を引き裂かれます。それから5年経って過去の宿敵である犯罪組織:スペクターが再び暗躍し始めたことを知ったボンド。スペクターは特定の遺伝子を必殺するナノボットを使ってボンドを亡き者にしようとしていました。しかし、第三者の手によってスペクターは予期せずナノボットの餌食となり、壊滅状態へ追い込まれます。このナノボットはMI6のトップであるMが秘密裏に開発を指示していたものでした。ボンドは悪用を目論む第三者の特定を急ぐなかで、再び愛するマドレーヌと再会を果たすが…

 

 

テーマ

ダニエル・クレイグが演じてきた007(ダブルオーセブン)5作品において“愛と復讐”はそれがすべてとも言えるテーマです。1作目『007/カジノ・ロワイヤル/Casino Royale』(2006)、2作目『007/慰めの報酬/Quantum of Solace』(2009日本公開)では、ボンドはヴェスパー・リンドという女性を初めて心から愛します。彼女の裏切りを知って破れかぶれになりながらも、ボンドは彼女の真の愛を知り、彼女を陰謀に巻き込んだ元凶と言える人物への復讐を果たします。3作目の 『007/スカイフォール/Skyfall』(2012)ではジュディ・デンチ演じるボンドが敬愛する女性:Mを私怨による復讐から守り、4作目の『007/スペクター/Spectre』(2015)では孤児であるボンドは里親に引き取られた過去を持ちますが、その里親からの愛情ゆえに義兄弟から恨まれることになります。このように主人公のジェームズ・ボンドという人物を中心に様々な愛憎劇が繰り広げられてきました。今作でもボンドは複雑な愛情を抱くヴィランと対峙することになります。

 

二人の男の愛

今回の作中で顕著なのは相対する二人の男性が一人の女性、マドレーヌ・スワンに対して向ける愛情の対比です。

サフィンの愛情

スペクターに家族を殺され、その復讐に人生を捧げてきた今作のヴィランであるサフィン。彼は自身の家族を殺した実行犯の男の家を数年前に襲撃しますが男はおらず、そこにいたのは男の妻子だけでした。実行犯の男の子どもというのは当時まだ幼かったマドレーヌ・スワン、その人でした。当然報復のため彼女を殺そうとするサフィン。少女のマドレーヌは命からがら逃げ出しますが、凍った湖に落ちて身動きが取れなくなります。彼女がすがる思いでサフィンに助けを求めた時、サフィンは初めて已自身を求められることに幸福を覚えます。彼が感じた彼女の生への渇望は転じて、彼女との繋がり(救い救われる関係)でしか満たせない欲求へと変わり、それはサフィンの中でマドレーヌに対する愛とも言える感情へと昇華されていきます。それと同時にサフィンは家族を殺した実行犯の娘であるマドレーヌのことを憎く思っており、マドレーヌに対する歪んだ愛情はさらに捻じ曲げられてしまいます。

 

ボンドの愛情

気が強くて美しいマドレーヌはヴェスパーと重なる部分も多く、再び愛を信じようとするボンド。敵の策略によりヴェスパーと同じくマドレーヌにも裏切られたと彼は感じてしまいますが、それでも彼はマドレーヌを愛さずにはいられません。さらにヴェスパーを最終的に救えなかった過去と、これまでに罪のない女性を任務に巻き込み、死に追いやった罪悪感も彼には付いてまわります。そんな過去への贖罪もあり彼はマドレーヌを自身の命に替えても守りたいと思っています。

 

サフィンとボンドは作中において一見すると善と悪という対立的存在ですが、作中サフィンが言及するように両者は非常に似通った部分があり、正に一枚のコインの裏表と言える存在です。ゆえに最後はどちらも幕引きを迎えるという終わり方が妥当であったと思います。

 

俳優への餞

これまで作られてきた映像作品の中でも様々な女性を愛するジェームズ・ボンド。彼というアイコンにはファンも多く、世界中から愛されており、文字通り愛に溢れたキャラクターです。ダニエル・クレイグ=ボンドの5作の脚本も過去の007映像化作品群に敬意を示すとともに、彼をとりまく愛と復讐を描ききったと思います。配役当時から世論の賛否の中でジェームズ・ボンドを演じてきたダニエル・クレイグでしたが、今作は彼の有終の美をかざるための作品と言えるでしょう。次のボンド役が誰になるのか期待の大きさ故にいろいろ噂は絶えませんが、初めて国王治世の国家に愛国心を捧げるボンドになるんですから話題性は抜群ですね。

 

余談

今作を見るために前4作品を連続で観ました。それまで割と金や私怨といった理由で行動してきた悪役の感情が、ここにきて急に複雑化した印象があり、新しい設定や新しい007など情報も多くて一回観ただけでは理解し辛かったです。作中説明が多かったのに、肝心なことは明確に書かれていないように思えるシーンがありましたし(勿論尺の都合もあると思いますが)、時には説明的すぎてここに来てボンドが非常によく喋るなぁ笑、という印象もあった作品です。監督と脚本家が変更になった影響は少なからずあったのかなと思います。

全5作品の中で撮り方はスカイフォールとスペクターを担当したサム・メンデス監督下での撮り方が好きです。特にスペクターのオープニングの長回しは画角といい構図といい何度見ても惚れ惚れします。

MGMのライオンもついにフルCGになってしまってて、ちょっと残念です笑

ショート感想文 Supernova(2020)

Supernova(スーパーノヴァ)【2021年日本公開】

ジャンル:ドラマ、同性愛

愛と終活のロードムービー

出演はコリン・ファーススタンリー・トゥッチ、どちらも幅広い役柄を演じてきた俳優さんなので演技だけでも見応えがあります。

 

尊厳が宿るのは肉体か精神か、彼らがふたりで考え決められる時間は残り少ない。

おそらく最後になってしまったんであろう「愛の挨拶」が切ないエンディング。

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ショート感想文 Meet Joe Black(1998)

Meet Joe Black(邦題:ジョー・ブラックをよろしく)【1998年公開】

ジャンル:ドラマ、ファンタジー、ロマンス

死神の気まぐれ珍道中。劇中音楽がファンタジーらしく壮大でした。あと若いブラピが可愛い。

この主人公にしたのと同じように、死が皆に平等に尊厳を与えてくれたらなぁ。

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ショート感想文 Prey(2022)

Prey(邦題:プレデター:ザ・プレイ)【2022年公開】

ジャンル:アクション、SF

※R15+作品です。本作は殺傷、肉体損壊表現が含まれます。鑑賞の際はご注意ください。

プレデターズ/Predators』(2010)、『ザ・プレデター/The Predator』(2018)で迷走してからの、ここにきて原点回帰。ストーリー展開はこのシリーズあるあるのいつもの流れなのでとくに真新しく感じられる要素もなく淡々と進んでた印象です。プレデターの装備品はバリエーション増やしてきてたかも。

フリントロック式拳銃のファンサービスはよかった。

個人的にはグロテスクver.みたいなのを出してほしい。対象年齢下げるためにいたしかたなかったんだろうけど、プレデターの残虐さがちょっと物足りない感じでした。

 

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ショート感想文 Vice(2018)

Vice(バイス)【2019年日本公開】

ジャンル:ドラマ、ブラックコメディ

伝記ものかと思いきや社会風刺の作品だった。

アダム・マッケイ監督の作品は『マネー・ショート/The Big Short』(2015)しかり、台詞の数がとにかく多いイメージ…

ディック・チェイニーの趣味が狩猟と釣りなのに"引っ掛けて"彼が扇動した政策などを痛烈に皮肉った作品。

 

若者が政治を気にしなくていいっていうのは世の中が平和な証拠と、例のごとくそこだけ切り取られて批判された政治家がいましたが、普段から関心を持つことが健全な状態だという認識がもっと広く一般的になればいいのにと思う。

 

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